遺産分割を専門家に依頼した場合の費用
1 着手金
着手金とは、事件を依頼するにあたって発生する費用です。
着手金の額は、相続財産の額や相続人の数、遺産の範囲の争いがあるかどうか、寄与分や特別受益の主張の内容など、事件の難易度を勘案して決められます。
遺産分割の場合の費用額は、20万円から30万円程度であることが多いとされていますが、上記のとおり、事情によって変動します。
遺産分割が協議から調停や審判に移行したときに、追加着手金が発生するという場合もあります。
2 報酬金
報酬金とは、事件が終了したときに発生する費用です。
費用の額は、事件の結果に応じて定められることが一般的です。
具体的には、依頼者が受けた経済的利益に応じて、その額の何パーセントという内容で定められることが一般的です。
他方で、純粋に手続き的な問題のみだという事案などの場合には、定額とすることも考えられます。
その割合や金額は、着手金同様、事件の難易度などを勘案して決められますが、経済的利益の額が上がるほど段階的に下げるということもあります。
具体的な例で示すと、300万円までの部分については16%、300万円以上から3000万円までの部分については10%といったようなものです。
3 出張費・出廷費
専門家が出張をした場合に、その時間に応じて出張費がかかる場合があります。
また、裁判に出廷したときに、それに応じて出廷費がかかる場合があります。
出廷費の額は、事務所からの距離などを勘案して、裁判所ごとに定められていることが一般的です。
4 実費
事件を進めるにあたって実費も発生します。
実費には、郵送代やコピー代、裁判を提起するときの費用などがあります。
不動産の名義変更にあたっては、登録免許税もかかります。
5 契約前には内容確認
費用については、遺産分割の事案によってさまざまです。
後でトラブルにならないように、契約の前に予めしっかりと費用の内容を確認するようにしましょう。
契約の内容を確認した後は、その契約内容についての契約書を作成したり、費用についての見積書を作成してもらったりするようにしましょう。