相続手続きにかかる費用

文責:弁護士・税理士 井川 卓磨

最終更新日:2023年10月13日

1 相続手続きの内容

 相続手続きとは、主に、被相続人の預貯金口座の解約・払戻し手続き、不動産の相続登記手続き、相続税の申告手続きなどを指します。

 これらどの手続きをする際でも共通で必要となるのが、戸籍謄本の収集です。

 この戸籍謄本の収集についてとそれにかかる費用について、以下で説明します。

2 戸籍謄本の収集とその費用

 最初に、相続人を特定するために戸籍を収集します。

 具体的には、まず、被相続人が生まれてから亡くなるまでの除籍謄本が必要となります。

 除籍謄本とは、戸籍の人物が亡くなった場合に、その事実を示す書類です。

 除籍謄本は、被相続人の本籍地を管轄する市区町村役場で取得します。

 1通750円ほどかかります。

 被相続人が過去に本籍地を動かしている場合は、一箇所の市区町村役場では揃わないことがありますので、その際には更に費用がかかることになります。

 次に、相続人全員の戸籍謄本が必要となります。

 相続人の戸籍謄本を確認することで、被相続人と相続人に夫婦関係・親子関係等があり、法定相続人であることが分かります。

 この戸籍謄本は、本籍地の市区町村役場で取得することになります。

 費用は、1通450円ほどになります。

 また、相続人の戸籍の附票や住民票が必要となります。

 これは、相続人の住所地が記載されている書類です。

 戸籍の附票は、1通300円ほどで取得することができます。

 住民票の取得費用は、自治体によって異なりますが、1通200円~400円のところが多いようです。

 戸籍の附票は、本籍地で取得することができ、住民票は住所地で取得する点が異なります。

 他にも、戸籍の附票の場合は、当該戸籍に入っていた期間に住所を移転した場合はその履歴が記載されていますが、住民票の場合はそこまでは記載されていないなどの違いがあります。

 どちらを取得すべきか、どちらでもよいかについては、実際に行おうとする手続きによって異なりますので、専門家に依頼される際にご確認ください。

3 郵送で取り寄せる場合

 市区町村役場の窓口ではなく、郵送で取得する場合、市区町村役場に上記の費用を支払う手段として、定額小為替が用いられます。

 定額小為替は、郵便局で購入します。

 50円、100円、150円、200円、250円、300円、350円、400円、450円、500円、750円、1000円の12種類しかなく、1枚発行すると200円の手数料がかかります。

 そのため、郵送で行う場合は、こちらの費用も考慮しなければなりません。

 参考リンク:ゆうちょ銀行・定額小為替

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